妹は見た目いけてるお嬢さんである。私の目から見るとかなりのおしゃれっ子である。彼女の友人にはアパレル関係が多い。とりあえずおしゃれっ子グループに属する子である。
さらに、会社に入るときに、履歴書を見た上司が「おい今年はすごい子がくるぞ!」(ちなみに、可愛いの意)と言い、職場にその噂が広まった程度には可愛い。
妹が高校生になった頃くらいから、実家にはカジュアル系のファッション誌(Zipperとか)がごろごろするようになったし、お洋服やお化粧大好きっ子だったから、てっきりそういうのにしか興味がない子だと思いこんでいた。
が、実家に帰省したとき「夜出かけるわー、友達とガンダムSEED見るねん」と行って出かけていったことから「あれ?」が始まる。
なんか匂うので話を聞いてみると、どうやら毎週のように、友達とガンダムSEEDを見る会をしているようだ。私がダンナを連れて実家に帰ったときも、ダンナ、弟、妹、の三人でえんえんとガンダム談義をしていた……。
ガンダムをあまり見ていない私は完全に蚊帳の外ですよ。なんなんだよおまえら。会話を聞いてても全くちんぷんかんぷんである。完全に、分かっている人同士の会話である。ダンナも嫁をおいてけぼりにすんなよ!(つうかダンナ、おまえガンダムシリーズほとんど見てるからって調子に乗ってんじゃねえよ!
こないだちょろっと帰省したときは、ちょうど兼六園が無料開放の時期だったので、妹に車に乗せてもらった。おだんごと焼きトウモロコシで釣った。車の中でかかったBGMはいきなり「もってけ!セーラーふく」だった。あまりの唐突さに「なんでらき☆すたwww」と聞いたら「いまちょうど見てるとこやねん」「これ超テンション上がる↑↑」とか言いつつ、歌い出す始末。そのあとも延々とアニメソングが流れる。「SEEDの主題歌は勇気をもらえる歌や!」……しらんがな。
「おまえこれアニメに理解のない友人をのせられないじゃないかw」と言ったら「大丈夫、そういう場合に備えて普通のポップスもおいてある」とのこと。非常に用意周到である。おおっぴらにしちゃいかんという意識があるらしい。
そのあとも、○○が気になってるとか、○○を毎週見ているとか、○○はアニメの段階ではちょっとあれだ、パチスロに行ったから人気が出たんだ、とか、目的地に着くまで延々と語られたのであった。
妹KY
会社には理解のある人がいないからきついらしい(いたらそれはそれで怖いと思う)。そんな中、飲みの席でうっかりガンダムとアニメについて熱く語ってしまい、周囲がどん引いたとか。とどめに会社の後輩に「(妹)さんって、普通みんな知らないことを常識みたいに語りますよね〜」と笑顔で言われてへこんだとか。事実上の空気読めないオタ認定である。これはきついwww
ちなみに、似たようなことを姉もやった。会社の先輩と一緒にときメモを語って周囲が引いたよ。そんなことを言ってもなんの救いにもなりやしない。空気を読めないのはうちの姉妹の仕様なのかもしらん。
その流れでガンダムとアニメの素晴らしさについて延々と語られて、姉は少し辟易したのである。そして、なるほどこれが空気読めない(読まない?)オタクに絡まれて辟易する非オタクの気持ちか、と妙に納得したのであった。
本物のオタクってなんだwww
「でも私をオタクって言ったら本物の人に失礼だよね」と言い出したのには笑った。本物ってなんやねん、誰が本物認定するねん。
ま、うちらのコンテンツ消費の仕方は確かにライトな部類だろう。「こんな作品があった、素晴らしいよね、面白かった」と語っておしまいだからな。それ以上はあまり発展しない。むろんコミケとか行かないし、グッズ集めたりもしない。
ふと、妹が思いつきで秋葉原に出かけたことを思い出したので、感想を聞いてみたところ、周囲の状況がキモかったからそそくさと退却したそうだ。妹的にはあそこに適応できる人が本物らしい。これを聞いて苦笑した。
我々が求めているのは自分と同じ価値観、同じ物語、同じコンテンツを共有できる相手なのだろう。何かを共有できても、他の部分が合わなかったら嫌だからあっち行け、である。多分妹的にはファッションが合わないとアウト。そゆのもあって、妹は自分をオタクというカテゴリに入れないのかもしれない。想像だけど。
でも、残念ながら、世間的には空気の読めるオタクはいいオタクで、空気の読めない(読まない)オタクは悪いオタク、もしくはキモいオタクだ。多分。周りがドン引いた時点で、彼女もあっち側の人だと思われているような気がする。
彼氏ができません問題
妹の中では、同じ価値観、同じ物語、同じコンテンツを共有できる相手は今のところ高校からの女友達であり、心の中で「あー彼氏欲しい」「結婚したい」とか思いつつも、言い寄ってくる相手を「なんか一緒にいておもしろくないから」の理由で袖にし続け、ずっと「なんで私には彼氏ができないの?」「すっげー彼氏欲しいのに!」とか言い続けている。
私としては、いや、そんな快適な女友達がいたら無理でしょうと思う。だって彼氏なんて必要なさげじゃん。変に束縛されたりするよりは、自由な思いつきで北陸から九州やら東京に行こうとしても、つきあってくれる友達がいて、一緒に夜通しアニメ見てたりできる方が、どう考えても幸せな状況だろーよ。
姉は思うのである。このまま行くと妹は40歳くらいになっても、その子と一緒にアニメ見てる。妹にそのまま言ったら「ありそうやけどそれでもいいかな」らしい。この状態を許容できる男があらわれないかぎり、妹に彼氏ができて結婚する未来は訪れなさそうである。
なにが言いたいかというと、つまり妹は贅沢なんである。どこかを妥協したらいいのに、妥協しないから彼氏ができないんである。多分彼女はそれなりに今の状況に満足していて、今の状況を曲げてまで彼氏を作る必要を感じてない。だから彼氏ができない。いや正確には「作らない」のだと思う。合コンは好かんし、紹介されてもなんか合わないから無理して時間を作る気もしないし、男の子を交えてグループで遊ぶ友人たちとはあんまり遊ばないし、アニメを見る会をできる友人とばっかり遊んでるし、というのは、まさにその姿勢のあらわれだと思うんだが。
妹よ、待ってても王子様はきません。
こんな妹にとっては、彼女の周りにある「彼氏がいるのが当たり前」な価値観は毒でしかない。「彼氏欲しいのになんでできないの?」さえなければ、仕事は大変でストレスも多いけど、休日は好きなアニメ見てゲームやって、分かり合える女友達とつるんで、くたくたになるまで遊んで……リア充じゃん。いいじゃん。
……が、妹はぼそっと言う「ねーちゃんは結婚できたからいいやん」
いや、君の状況は十分楽しそうだし、私はそういう生活をしたことないから、むしろその方がうらやましく思う。私はそこまで価値観を共有できて、空気みたいにくっついてられる同性の友人がいなかったし。というか私の場合、そういう関係性を構築するのが下手くそすぎるんだが。ともかく、妹、贅沢言いすぎである。
そうは言っても妹は納得できないらしい。多分ずっと平行線。妹が納得できる結果を得られるか、どっかで諦めるようになるまではずっとずっと平行線なんだと思う。
そいや、妹とふたりで兼六園に行ったとき「ちっ、カップルばっかりか春だと思って」「こっちは姉とふたりで花見だというのに」「あいつらうざい。死ね。本気で死ねばいいのに」「なにが悲しゅうて女ふたり…」「あ、男ふたりで花見よりはちょびっとマシ?」とか、小声で毒を吐き続けていて、妹には悪いけどかなり笑えた。冗談だとは分かっているのだが、まさかリアルでそんなこと言う人間がいるとは…… orz
そういうときは「カップル爆発しろ!」と叫ぶといいのだよ(よくねーよ
世代間格差を見た
こんな妹ですが、最近は携帯小説を愛読しており、「私も携帯小説書こうかなー」と言っております。魔法のアイランドはレベルが高いので他のところでやると言っておりますが、ちょっと書いたら根気が続かなくて飽きたそうです。mixiはモバイルでしか使いません。しかも最近ログインしてないそうです。本拠地はモバゲーです。
なんという世代間格差だろう。たった7年違うだけで姉はPC族、妹はケータイ族である。こんな近くにまったくの異人種がいるとすげーおもしろいんだが。




