たまたま見つけてびっくりしたしw
「夏のあらし!」のOPで面影ラッキーホールを使うシャフトは、奇才か暴走か~昭和日本の下層のリアル~ – たまごまごごはん
「夏のあらし!」というアニメのオープニングを面影ラッキーホール(以下面ラホ)が歌っているらしい。上のリンク先の人も書いてるけど《そもそも「面影ラッキーホール」を知っている人だったら度肝も抜かれるというもの》なのだ。つか面ラホとアニメって、普通に考えて両極過ぎて相容れない。
面影ラッキーホール(おもかげラッキーホール)は日本のファンクバンドである。1994年にボーカルのACKYとベースのSinner-Yangを中心に結成。1998年に徳間ジャパンコミュニケーションズからメジャー・デビュー。バンド名は初の国産医療用ダッチワイフ「面影一号」と80年代に存在した風俗店の一種である「ラッキーホール」から。
面影ラッキーホール – Wikipedia
バンド名の時点でアニメと相容れなさそうだし、音楽の世界観もアニメ向けじゃないし。
ここから語りますからねちょっと長いですよ
面ラホの歌詞はストーリー仕立てになっていることが多い。そこで描かれるものの背景は、暴力と経済的困窮に耐える妻、破滅的 or 背徳的な恋愛関係に陥った男女、若気の至りで道を踏み外した青少年、性暴力を受けて耐える女性、性産業で働く外人さん、など、高度経済成長後の日本社会の陰で隠蔽され続け、搾取され続けた存在たちである。また、歌詞がストーリー仕立てになっているにも関わらず、曲の終盤で救いがもたらされる描写もない。曲が終わった後もこの人たちはこのままずっと、悲惨さから脱することもできず、脱する方法も知らず、耐えつづけるのだろう、と思わせる。
歌詞がどろどろしているわりに、曲調は、切なさは多少感じるものの明るくてテンポもよく、渋さや色気も感じる具合に仕上がってるので、歌詞がなければハッピーな気分で聴ける感じ。ところがそこに歌詞がつくと、一見ハッピーな先進国ニッポンの中で隠蔽されてきた存在の悲惨さがぐっと強調されてへこめるのである!
これだけだとへこむだけの音楽だと思われそうだが、ボーカル(男性、コーラスは女性)が力強く官能的に響くのが面ラホの音楽の中で救いになっていて、ずっと続く悲惨な状況の中でも、しぶとくしたたかに、時に自暴自棄になって羽目を外しつつも生きていく雑草のような強さも感じる。悲惨でそこから脱しようもないのに、どこか幸せもある。
とにかくこの音楽性はすごい。初めて聞いたときの、頭を鈍器でぶん殴られたような衝撃と、身体の中をぎゅっと駆け抜ける切なさはすごかった。まぁとにかくすごいんですよ。すごいと書きたいんです私は。
だけど一般向けじゃないと思っていたので、こっそり隠れて聞く音楽だとずっと思っていた。……というわけでアニメのオープニングを面ラホが歌ってると聞いたとき、私の第一声は「ありえねえ」だったわけです。ちなみに夫の人の第一声も「ないないw」だった。暗めの展開をするアニメでも、さすがにまったく救いのないものはないというイメージがあるし、人の願望や夢を詰め込んだもので、面ラホの世界観とは真逆の存在のように思える。また、面ラホってオタク受けする世界観の音楽じゃないだろとも思ってた。
しかし蓋を開けてみたら、ちゃんとアニメソングしてるw 面ラホが高校生の清い男女交際をかいたらこうなるのかー、と思った。しかしこの寸止め感と確信犯な思わせぶり歌詞はやっぱり面ラホっぽい。時間帯が深夜枠なのでお子さまは見ないと思うけど、お子さまが真似して歌い始めたら親がチョー困りそうなのもいいwww
で、ついでにニコニコ動画にあがってた面ラホ動画を見たところ、「夏のあらし!」から来た人の好意的なコメントも多かったりして、以前からこっそりひっそり聴いていた人としてはちょっと複雑な心境だ(インディーズがメジャーに行くような心境www)けど、このまま人気が出たら嬉しいのでみんなCD聴いて下さい。
今、面ラホが受けるとしたら、それは今の時代の閉塞感かな、とちょっと思う。隠されてきた労働条件の格差や悲惨さ、福祉を受けたくても受けられない人が多くいる現状、いつまでも解決策が見えてこない諸問題……時代の気分には合ってる、気がする。
個人的オススメCD
私の個人的オススメは、初めて聴いた面ラホCD、代理母。これは初めて触れたときほんと衝撃がすごかったので、面ラホ入門編としていいと思う。この中で好きな曲を紹介してみるー
- 小さなママに:これはすっごい切なくて悲しい。描かれている女性の自己評価の低さが悲しい。男に利用されるだけなのに、男の行動と自分自身を、弱さを理由に肯定しちゃってるのもすごく悲しい。ひたすら悲しい。それなのに妙に綺麗。だからよけい悲しい。
- 今夜、巣鴨で:病気がちな少女と、男やもめでひとり暮らしなおじいちゃんの恋愛の情景。舞台が巣鴨だったり浅草だったりで、昭和ノスタルジィなのがいいです。「君は夢二の絵のようだね」という表現が綺麗すぎて好きだ。
- あんなに反対していたお義父さんにビールをつがれて:珍しく歌詞に救いがある曲。罪悪感をずっと背負って生きてきた夫婦が赦される瞬間が泣ける。どん底の中のささやかな希望。
私自身が女性なので、女性視点の曲に惹かれる。ボーカルは男性だけど、女言葉の歌詞でも妙にマッチしてるのが不思議ー。とりあえず3曲あげてみたけどぶっちゃけ全部いいので全部聴くといいと思うおw
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