文庫本コーナーに並んでいたのをついうっかり表紙買い。
お話は、特殊清掃業界でアルバイトを始めてしまった主人公のフリーター・桃子が、掃除に行く先々で事件の主役になってしまった人たちの残留思念を感じ取り、手がかりを見つけて事件を解決に導く……という超能力ミステリーです。短編で4本収録。
特殊清掃業界というのは最近知られはじめた業界で、お掃除業界の中でも、事件・事故・自殺の現場や、孤独死、失踪、ゴミ屋敷など普通の掃除屋さんが掃除してくれないワケありの場所を専門に掃除してくれる業者さんを指します。
特殊清掃 – Wikipedia
特殊清掃「戦う男たち」(ブログ)
一時期、ブログの『特殊清掃「戦う男たち」』にはまってずーっと読んでましたが、すごく興味深い業界です。でも自分で飛び込もうとは思わない。やっぱり怖い。
閑話休題。
とにかくそういう業界になにも知らずに飛び込んでしまった主人公・桃子なのですが、バイト先の会社は、機嫌が悪くなると「大」という字に点を増やして「犬」にしまくってしまうくらいの偏執的犬好きの社長をはじめ、役者志望で新しい役が決まるたびに役作りと称してなりきりコスプレで出社してくる同僚の重男、なぜ掃除業界にいるのかさっぱり分からないくらいギャルギャルした未樹、イケメンなのに無愛想でなにを考えているか分からない翔など、変人ばかり。
それを見て変人ばかりと呆れる桃子だけど、桃子自身がとある分野のマニアです。それはそれは、周りの変人たちがドン引きするくらいのレベルで超マニアなのです。しかしマニアック居酒屋に通っているせいで友達は多い。さらに、意外と、マニア趣味のおかげでいい感じになる相手もいたりします。世間ではマニア趣味は敬遠される傾向だけど、こうなるとマニア趣味も捨てたもんじゃありません。ああファンタジー……!
事件現場の掃除という、重い仕事のはずなのに、変人どうしの掛け合いがおもしろくて、ミステリー風だけど、どちらかというとコメディの印象。事件現場にある残留思念を察知する特殊能力が事件発覚のきっかけになっていることもあり、謎解き自体はそんな展開ありなのか?とか、ちょっと強引じゃね?という部分もあるような気がします。なので本格派は期待しない方がいい。謎解き自体よりも、謎周辺にある人々のかけあいなんかを楽しむ小説です。
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