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Twitterでの嘘情報の拡散を見かけて考えた事

  • 2010-01-26 (火)
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1/24に、Twitter上で「ジョニー・デップ死亡説」が流れた。
嘘情報なので、鵜呑みにしないように。

せかにゅ:「ジョニー・デップ事故死」の偽ニュース、Twitterで広まる – ITmedia News

ここしばらく、Twitter上で嘘情報っぽいものが拡散しているのをときどき見かけるように思う。それで、嘘情報が拡散することで起こりうる危険な事態や、非公式RTの危なっかさについて、ほんの少し考えたので、ある。

以下、Twitter用語満載なので「なにそれ?」という人は、超初心者向けのすげー基本的なTwitter用語集 – 聴く耳を持たない(片方しか)を参照すると分かりやすいと思います。

Twitterでの嘘情報の広がり方

誰かがつぶやいた「ジョニー・デップ死亡説」は、最近、Twitterが公式に対応したことで注目を集めている Retweet(他の人のつぶやきを、Twitter上で再送信して広めること。感覚としては転載に近い。省略してRTと表記されう)により、どんどん拡散していった。その後、上記リンク先にあるように、嘘情報の元となったニュース記事がCNN.comを巧妙に真似たサイトのものであり、記事の日付が2004年であることに気づいた人が「死亡説は嘘」とつぶやいた。そしてこれまたRetweetされて、どんどん訂正されていった。

私が「死亡説」が出回っているのを知ったのは、「死亡説」が回っている状況を直接見たのではなく、「死亡説は嘘」が回ってきたことによる。その時点で「ジョニー・デップ 死亡」で検索したところ、「これって本当? RT〜(死亡説)」という内容の tweet が散見された。つまりその時点になっても、「死亡説」はまだまだ拡散中だったということである。さすがに今日検索してみたら、訂正情報が周知された様子だったが。

Twitter上での嘘情報は、こんな感じで、Retweetに乗ってどんどん拡散し、訂正情報も同じくRetweetに乗ってどんどん拡散し、1日程度で収束する。今まで見た嘘情報はだいたいこんな感じだった。

私の知っている範囲での嘘情報まとめ

私の知っている範囲では、Twitter上で拡散した嘘情報(っぽいもの)には、以下のようなものがある。

これらを「嘘情報(っぽいもの)」と表現したのは、嘘情報と断定するのが微妙なものも含まれているからである。日付だけ見ると月に1度以上のペースで嘘情報っぽいものが流れている計算になる。みんな懲りないなあ。

さて、上から順に内容を見てみると、1番目「とほほさん騒動」は、HTMLを手打ちしてホームページを作っていた古くからのネットユーザーにはおなじみのとほほのWWW入門の管理者である杜甫々さんが亡くなったという情報が広がった、というもの。亡くなったのは、HNが同じだけの別人だった。嘘情報というより、人違い。

2番目「松村邦洋逝去。阪神タイガースファン感謝祭のイベントのベースランニング中に心不全」は、見出しの通り、「バウバウ」でおなじみのタレント、松村邦洋死亡の嘘情報が広がってしまった。

3番目「ニセ鳩山由紀夫登場」は、鳩山首相を名乗るTwitterユーザーが出現したが、結局は偽物だったという騒動。直前の12/24に、鳩山首相がtwitterを始めることに意欲を示したという報道があったため、騒動が拡大したと考えられる。「情報」が流れたというのとは少し違うが、嘘情報に含めていいだろう。

4番目「Twitter有料化」は、Twitterの日本でのビジネスパートナーであるDGモバイル社の取締役COOが、携帯電話向けコンテンツや技術に関する講演イベントでTwitter向けのビジネスモデルに言及したところ、話が拡散するにつれ、「Twitter社本体が有料サービスを始める」という風に曲解された。DG社及びTwitter Japan社が声明を出して収束。

5番目「通り魔逃走中」の発端は、「駅前で女性が負傷をする事件があり、犯人逃走中」という旨のtweetが、駅名を明記して流れた。しかし後になって分かったのは、怪我をした女性は実在するが、通り魔による負傷ではなく、自作自演だったとのこと。部分的には事実で、部分的には嘘という状態。

6番目「血液募集」は、「小学三年生の男の子が事故に遭いの血液が不足しているから提供できる人は病院に電話して欲しい」旨のtweetが、病院名と電話番号つきで流れた。その後「嘘情報である」というtweetも流れた。「小学校三年生の男の子が事故に遭った」事実はあるが、「血液が不足している」については真偽不明。

いずれもそれなりにRetweetされて拡散して、それなりに騒ぎになった。

で、今回の、「ジョニー・デップ死亡説」である。そろそろこういう情報にもうんざりしてきたのだけど、はたと恐ろしい想像に行きついた。それに比べれば、スターの死亡説なんて可愛いものかもしれない。

だって、スターの死亡説(嘘)で起こりうる事態って、せいぜい、ファンが事務所に大量の弔電を送りつけたり、死亡がきっかけで生前の出演作の売り上げが伸びたりする程度でしょ。関係者なら、本人や家族に聞くなりして真偽を確かめられるからそう大きな問題にはならない。関係者じゃないなら、報道機関からちゃんとした情報が出るのを待ってればいいだけ。そういう手間を踏まされたり、振り回されること自体迷惑な話ではあるんだけど、まあ「迷惑」で済む。

嘘情報が世界を震撼させる……かも

私が心配になってしまったのは、「世界的に重大な問題について嘘情報が流れる」ケース。たとえば、株価暴落/暴騰、紛争激化、暴動、そういう状況に繋がるような種類の情報。想像が追いつかないけど、陰謀論が流れたり、企業のインサイダー情報が流れたり、オフレコの話が流れたり、とか。

日本の場合は、株価暴落 or 暴騰以外はあまり現実的な問題ではないかな、とは思っている。株価を動かしているような人たちがホイホイとTwitter上の未確認情報に飛びつくようなことはないと思うけど、大臣の発言の影響で株価が揺れ動いたということがあったので、「信憑性のある嘘情報」が出回ったらどうなるかわからない(信憑性のある嘘情報の例:閣僚のVerified Accountが乗っ取られて政治や経済に関する嘘情報が発信される等。Verified Accountとは著名人のなりすましが出ないように、Twitter社と著名人の間で本人確認を厳重に行ったアカウントのこと。ちなみに鳩山総理が使っている)。

こういう場合、「Twitterで嘘情報を知った人が、嘘情報を家族・友人・同僚などにクチコミで広めてしまい、普段Twitterやネットを見ない、ネット上での訂正情報が行き届きにくい人のところまで拡散してしまう」という状況も心配である。

日本では、情報インフラが整備されているので、ネットの外まで嘘情報が広まってしまっても訂正は可能であると思う。政治や経済、治安に影響を与えかねないものについては、最悪、テレビでもラジオでも新聞でも町内放送でも、どんどん使って全国民に嘘情報であることを周知すればよい。

なお、日本でも嘘情報や勘違いによって、暴動が起こったり、消費行動に影響が出たりという事態があったようだ。参考までにWikipediaにリンク。

嘘情報が特にやばいのは混乱している地域

嘘情報(特に陰謀論)が拡散した際、本当に怖いのは、地震等の大規模災害の被災地や、紛争地域だと思う。こういう状況下では、住民は常に緊張状態に晒され、不安を抱えている。また、情報インフラが破壊されていたり、ネット接続環境のある人が少数の可能性もある。

以下は全て私の想像に過ぎないけど、「無抵抗の住民が紛争相手国の軍隊に無差別攻撃されたらしい」「他国からの食料援助に毒が混入されている」「スパイが混乱に乗じて水源に毒を流した」等の嘘情報がTwitter上で拡散したとして、現地の少数のユーザーがそれを見て、家族を守るために家族に口頭で伝え、家族は親切心から地域住民に口頭で伝え、嘘情報がクチコミで拡散していったとき、結果的に騒ぎが起こらない保証はない。

嘘情報が広がり始めた時点で、政府や治安維持を担当する機関が訂正情報を広めて回るかもしれない。ただ、情報インフラが破壊されている場合、ある程度の時間はかかるだろう。また、騒ぎがエスカレートして暴動に繋がった場合、暴徒は訂正情報を簡単に受け入れるだろうか。最悪、武力で鎮圧することになるのではないだろうか。

責任……というと大げさかもしれないけど

嘘情報が拡散する危険というのは、なにもTwitterに限ったことではない。ただ、Twitterの情報拡散速度は、従来の伝達方法(クチコミ、電子メール等)拡散速度と比較すると恐ろしく速いので、日本で冗談半分につぶやいたことや、深く考えずにRetweetしたことが、世界の裏側でとんでもない事態を引き起こす可能性があるということを、頭の片隅に置いておかないといけないと思うのです。

まあ、無駄に心配性な人間の、妄想みたいなものなんですけど。

深く考えすぎると変に構えてしまって、気楽に楽しめなくなると思うので、一般ユーザーは、1) 自分が嘘情報の発信源にならないこと、2) 真偽不明な情報が流れてきた場合、むやみに拡散しないこと、3) 嘘情報を拡散してしまった場合は、訂正情報もしっかり拡散すること、くらいを心がけていればいいと思う。

非公式RTの危なっかしさ

以下、Retweetと書くと冗長なのでRTと書きます。

最近、「公式RTと非公式RT、どっちが適切か?」という論争があるのです。私は正直、そんなもの好みで使えばいいと思ってんだけどさ。ただ、文脈から嘘や冗談だと明らかにわかるtweetが、RTされる過程で嘘情報に化ける可能性を考えると、非公式RTは危なっかしいと思う。

公式RTと非公式RTの大きな違いをざっくり説明すると、

  • 公式RT:拡散したいtweetの横っちょにある「ReTweet」ボタンを押すとRetweetされる。内容の改変不可。
  • 非公式RT:拡散したいpostの内容をコピペして手動でtweetする。内容の改変可。

ちなみに他にも違いがあるので、詳細を知りたい方がいれば、Twitterの公式RT、非公式RT、QTの違いを分かりやすく図で描いてみた – 聴く耳を持たない(片方しか)を参照してください。分かりやすく、可愛くまとまっている。

さて、以下の内容のtweetが非公式RTでどんどん拡散されていった場合を想定してみる。

○○駅の構内に警察がたくさんいて一部を封鎖していてびっくりした。昨日の話だけど

1回目のRT(非公式RT)

RT @user_id:○○駅の構内に警察がたくさんいて一部を封鎖していてびっくりした。昨日の話だけど

「RT @user_id」の文だけ文字数が増える。RT の前にコメントを書いている場合、さらに増える。Twitterには、1tweetあたり140字の文字数制限があるので、何度もRTされた場合字数制限に引っかかる。

140字の文字数制限に引っかからないユーザーは、正確に元のtweetを広められる。この例だと6人目。6人目がtweetした時点でちょうど140字。

今のところ確認できてない件 RT @user_id5:報道とかされてる? RT @user_id4:○○駅で事件か?! RT @user_id3:怖い RT @user_id2:RT @user_id:○○駅の構内に警察がたくさんいて一部を封鎖していてびっくりした。昨日の話だけど

問題は7人目以降のRT。6人目のtweetがちょうど140字だったので、7人目がコメントをつけてRTするときには、文字数制限に引っかかる。したがって、7人目は6人目のtweetの一部を削ることになる。7人目が不注意な人だと、こういう風に。

続報希望 RT @user_id6 今のところ確認できてない件 RT @user_id5:報道とかされてる? RT @user_id4:○○駅で事件か?! RT @user_id3:怖い RT @user_id2:RT @user_id:○○駅の構内に警察がたくさんいて一部を封鎖

誰も嘘は言ってないのに、「昨日のことだけど」が削れただけで、「現在○○駅で事件が起こっている」と解釈できるようになっちゃった。あら不思議。

非公式RT × うっかりさん = 嘘情報発生 Σ(´Д`; )

この流れは、私が即興ででっちあげたものなので、こういう風に削る不注意な人もあまりいないと思うんだけど、やっぱりちょっと怖い。真面目に突き詰めると、公式RTの方がなんぼかマシかな、と思う。

推敲を正確にできないと(非公式RTを使うのは)難しい……
(元ネタ:嘘を嘘と見抜けないと難しい – 通信用語の基礎知識

なんだかだらだらと無駄に長いので終わるなう。

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